目次
1. 【結論】オーダーメイドじゃなくても、採択されます!
「オーダーメイドじゃないから、補助金は使えない」
――そう思っていませんか?
結論から言うと、
オーダーメイド“じゃなくても”採択されるケースは普通にあります。
ここを勘違いしたまま申請を諦めてしまう事業者は、正直かなり多いです。
省力化投助金一般型におけるオーダーメイド設備の定義は、
多くの事業者がイメージしているよりも、ずっと広く設定されています。
よくある誤解が、
「完全な特注設備じゃないとダメ」
「一から設計したフルスクラッチでないと対象外」
という思い込みです。
ですが、実務の現場では、そこまで厳密に線引きされていません。
評価の分かれ目になるのは、
設備がオーダーメイドかどうか“そのもの”ではなく、
自社の省力化課題に対して、意味のある設計・使い方になっているかです。
言い換えると、
採択されるかどうかは「モノ」よりも、
どう考えて、どう説明しているかで決まります。
この前提を理解しているかどうかで、
申請の組み立て方も、採択結果も、大きく変わってきます。
※中小企業省力化投資補助事業(一般型)の制度概要や補助内容の詳細については、以下の記事で整理しています。
▶︎ 補助金の詳細はこちら:中小企業省力化投資補助事業(一般型)
2. オーダーメイド設備とは何か?
まず、公式に示されている定義を確認しておきましょう。以下は、中小企業省力化投資補助事業(一般型)の公式HPに記載されている内容です。
中小企業省力化投資補助事業(一般型)における、オーダーメイド設備とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことを指します。なお、汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能である場合には、オーダーメイド設備であるとみなします。
一見すると少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントはそれほど複雑ではありません。
この文章で重要なのは、
- ICT・IoT・AI・ロボットなどの活用が前提になっていること
- 単一工程だけでなく、複数工程の自動化も含まれていること
- 「専用で設計された」という表現が使われていること
そして何より注目すべきなのが、後半の一文です。
汎用設備であっても〜オーダーメイド設備であるとみなします
ここで、公式に
「汎用設備であってもオーダーメイドとみなされる場合がある」
とはっきり書かれています。
つまり、
- 市販設備=対象外
- 特注設備=対象
という単純な話ではありません。
事業者ごとの業務内容や導入環境に合わせて、
- 周辺機器を組み合わせる
- 構成や台数を調整する
- システムとして一体で設計する
このように、
省力化を実現するために「どう設計したか」が説明できれば、
オーダーメイド設備として評価される余地がある、
というのが制度の基本的な考え方です。
3. 実はここまで含まれる|オーダーメイド設備の具体的な範囲
ここまでの内容を踏まえると、
実際に申請対象となり得る設備のパターンは、大きく分けて次の3つに整理できます。
① 完全オーダーメイド設備
業務内容や工程に合わせて、
一から設計・構築される設備やシステムです。
SIerと連携しながら、
- 特定工程専用のロボットシステム
- 自社業務に特化した自動化装置
などを構築するケースが該当します。
「いかにもオーダーメイド」とイメージされやすいのはこのタイプですが、
実はこれだけが対象ではありません。
② 汎用設備+オプション・カスタマイズ
市販されている汎用設備であっても、
- 周辺機器を追加している
- 機能構成や仕様を自社向けに調整している
- 特定工程専用の使い方をしている
といった場合には、
オーダーメイド設備として評価される可能性があります。
ここでよくある誤解が、
「特注オプションでなければダメなのでは?」という点ですが、
メーカーが用意している既存のオプション機能を選択する形でも問題ありません。
重要なのは、
そのオプションを付けた結果として、
- 自社工程にどう適合しているのか
- どの作業を置き換え、省力化しているのか
が説明できるかどうかです。
公式定義でも示されている通り、
「汎用設備であっても、導入環境に応じて構成や機能が変わる場合」は、
オーダーメイド設備とみなされ得ます。
③ 複数の汎用設備を組み合わせたライン化
個々の設備は汎用的であっても、
それらを連動させることで人手を減らし、
業務全体の省力化を実現しているのであれば、
評価対象になり得ます。
4. そもそも「省力化」とは何か?
ここで一度、この補助金における「省力化」の考え方を整理しておきましょう。
省力化とは、単に作業が楽になることではありません。
判断の軸になるのは、次の2点です。
- 作業時間が減ること
- その業務を担当する人が減ること
つまり、人が担っていた作業や工程を、
設備やシステムに置き換えることで、
業務そのものに必要な人手を減らせているかが問われます。
スピードが上がった、ミスが減った、といった効果だけでは、
省力化としては弱く、
人の関与がどう変わったのかまで説明できる必要があります。
5. 重要な考え方|「人を減らす」ではなく「人を再配置する」
省力化と聞くと、
「人を減らす補助金なのでは?」と感じる方も少なくありません。
しかし、考え方として重要なのは次の整理です。
✗ 人を減らす
◯ 人を再配置する
省力化によって生まれた余力を、
- 付加価値の高い業務に回す
- 人手不足の工程に振り向ける
- 将来の事業拡大に備える
このように前向きに使える計画になっているかどうかが、
評価上も大きなポイントになります。
省力化とは、
事業を縮小するためのものではなく、
事業を強くするための投資です。
6. 【まとめ】結論の再確認と、次の一手
省力化投資補助金一般型におけるオーダーメイド設備の定義は、
決して狭いものではありません。
重要なのは、
完全オリジナルかどうか、
特別な設備かどうか、
という点ではなく、
自社の省力化課題に対して、どう設計されているか。
この一点を、第三者に伝わる形で説明できるかどうかが、
採択・不採択を分けます。
もし、
- これがオーダーメイド設備として通るのか分からない
- 省力化としての説明に自信がない
- 設備投資の方向性が正しいか不安
そう感じているのであれば、
申請書を書き始める前に、一度整理することをおすすめします。
補助金は、提出してからでは修正できません。
だからこそ、
設計段階での確認こそが、最も重要な一手になります。

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